
不動産の遺産相続をする際に、相続人が複数いる場合にはどのように相続をするのかをきちんと決めなければなりません。
その際に作成するのが遺産分割協議書で、後々のトラブルの際にも証明書になるので大切なものです。そこで、遺産分割協議書の書き方について説明します。
建物は分割して相続できない
相続人が複数いる場合に遺産を分割して分け合うことを遺産分割と言いますが、不動産以外にも多数の遺産があれば良いですが不動産のみの場合は注意が必要です。預金などであれば分割するのは容易ですが、建物は分割して相続することは出来ません。これは建物はお金などと違い分割しても価値が変わらないものではなく、既にあるものを2つ以上にすることが容易ではないためです。したがって、不動産しか相続する財産がない場合などは遺産分割協議書を作成してどのように相続するかを書面にしておくことが必要です。相続は売却して現金化する場合もありますが、相続人同士の共有財産にするという方法もあります。
共有での相続とは
不動産相続における共有での相続とは、建物の持ち分を分割して相続するということです。具体的な例を出すと、父親が不動産を所有しておりそれを母親・子供A・子供Bで共有相続するとします。法定相続分で分けると母親が4分の2、子供がそれぞれ4分の1の持ち分を相続するという形です。遺産分割協議書にはこの持ち分を記載し、登記においてもこの持ち分を登記すれば良いということになります。ただし、一つの財産を複数の人間で所有することになるので、権利関係が複雑になってしまうのも事実で後々のトラブルになることも少なくありません。
各相続人の持分割合を記載
不動産相続で共有相続する場合には、遺産分割協議書に書く相続人の持分割合を記載していきます。この場合、遺産分割協議書は相続人それぞれにおいて作成するということが基本となります。すなわち、相続人が3人いる場合には3人分の遺産分割協議書を作成するということです。持分割合の書き方ですが、相続する土地の住所や建物の住所の後に地積や床面積を記載していきますので、そこに子の持分2分の1などといったようにそれぞれの持分割合を記載するという形です。もちろん、遺産分割協議書にはそれぞれ相続人全員分の住所・氏名・実印が必要になります。
共有はもめる原因にもなるので慎重に
共有は相続する時はスッキリしたように思えるかもしれませんが、後々トラブルになることも少なくありません。共有で相続したとしても、もし売りたい場合には共有者全員の同意が必要になる訳ですし、共有者の誰かが死亡した場合にはその死亡した共有者の相続人に所有分が相続されてしまいます。遺産分割を先延ばししているだけとも言えるので、慎重に考えなければなりません。