よくある不動産相続のトラブルと対処法

不動産の相続について協議する場合、相続人それぞれの思いが錯綜して揉め事が起きやすいです。話し合いの結果に基づいて相続手続きが完了したものの、相続人個々がわだかまりを残して対立し続けることも多々あります。そこで、トラブルへと発展しやすいケース、相続問題の対処法を紹介します。

不動産の相続はトラブルになりがち

不動産は、非常に高額です。そのため、誰か一人が相続すると他の相続人が不公平感を抱き、いさかいの原因となります。しかし、複数の相続人で共有すると将来的に問題が発生しやすいです。また、有効な遺言書がある場合でも不動産相続を契機に兄弟の間に大きな溝が生じるケースは少なくありません。一般的に被相続人の長男が不動産を相続しますが、遺言書に書かれている内容に基づいて長男以外の兄弟姉妹が実家の家と土地を相続した事例は多々あります。さらに、実家を所有し続けたいと考える長男に対して、嫁や弟が実家の売却をせがんでトラブルになることも多いです。

財産は実家の家と土地のみはもめることが多い

両親の財産が実家の家と土地のみの場合、微々たる遺産と認識して相続のトラブルとは無縁と考える方が多いです。しかし、僅かな遺産が喧嘩の火種となり、遺産分割審判・調停へと発展しています。家庭裁判所に持ち込まれた遺産相続問題のうち、親の実家と預貯金を合計した5000万円程度の財産で揉めている事例が7割を占めています。例えば、実家に住み続けたい長男が相続を熱望しているものの、他の兄弟に代償金を支払う経済力がない場合、大きな問題が発生する可能性が高いです。不動産に対する考え方が相続人個々で異なると、不動産を相続する最適な手段を見つけにくいです。

「相続」を「争族」にしないためには

不動産相続のトラブルを回避するには、両親が健在の時に家族で話し合う時間を大切にし、遺産を分け合う方法を検討する必要があります。親の意向に沿って実家を長男が相続する場合には、他の財産の分配を工夫することが望ましいです。公平な遺産分配によって、両親が逝去した後も兄弟姉妹が良好な関係性を維持できます。また、公認証書遺言を作成しておくと不動産相続によるトラブルの発生軽減を望めます。但し、法定相続人の遺留分が侵害された内容の遺言は大きな揉め事へと繋がりやすいです。さらに、相続権が認められていない内縁関係の妻、愛人の子どもに遺産を残す旨を記載する場合には十分に留意しなければなりません。

現金化すれば平等な分割が可能

相続する不動産を全て売却して現金にすると、平等に分配しやすいです。売却益を相続人の数で割り、相続人一人一人が受け取る額を厳密かつ正確に計算できます。但し、全ての相続人が不動産の売却について理解した上で手続きを進めなければ、意見の食い違いが起こる可能性が高いです。