
不動産を相続したときに不要なら売却することもできますが、本当に売ってしまって良いのかはよく考えなければなりません。売却によって生じるメリットとデメリットを総合的に考えて十分に検討することが重要になります。
売却するメリット
相続した不動産を売却するメリットはまず大きな現金が手に入ることです。数千万円という単位でのお金が入ってくることも少なくありません。それに加えて、不動産の維持のための費用が必要なくなります。不動産は所有しているだけでも固定資産税や都市計画税を払わなければなりません。建物がある場合には老朽化が進んでしまうと空き家となってしまい、税額が高くなったり強制撤去をされて費用を請求されたりすることもあります。また、放置してしまって空き家や荒れ地にしてしまって周辺住民とのトラブルを引き起こさなくて済むのも売却するメリットです。
売却するデメリット
相続した不動産を売却するデメリットは運用ができなくなることです。将来的にリフォームや建て替えをして住んだり、別荘として利用したりすることもできます。あるいは賃貸経営をして家賃収入を得るために利用することも可能です。このような利益を得るための運用ができなくなることに加えて、売却するのには労力がかかるのがデメリットになります。高く売ろうとすると数ヶ月は時間がかかることになりやすく、場合によっては売れずに悩むこともあるので注意しなければなりません。売却のためにリフォームをする必要が生じて、一時的に費用負担をしなければならない場合もあります。
不動産が農地の場合は
農地を相続したというケースは、売却のときに特に気をつけなければなりません。農地は国の基盤としてむやみに農地以外の目的で使用できないようになっています。そのため、農地を売却するときには相手が農作業を行える条件を満たしていなければ買ってもらえないのが原則です。農地のまま売るのは難しいことが多く、大抵は地目変更登記を行わなければなりません。農地転用は手続きが厳しく、使用目的と計画まで決まっていなければ許可が下りないのが原則です。農地が遺産として存在しているときには売却するのには苦労があるということを理解した上で相続する必要があります。
メリットとデメリットを踏まえて検討しよう
相続で手に入れた不動産を売却するのはメリットもデメリットもあるのでどちらが良いと一概に言うことはできません。不動産の運用予定や維持費用、物件としての売りやすさや現金の必要性などを総合的に考えて納得できる決断をするのが重要です。